3December 2008 Tokyo
【基調講演 1】 ハリウッド映画の世界観を創造する職人技
Industrial Light & Magic 社 , 上杉 裕世 氏
■ILMに就職するまでの流れ
■オプティカル合成時代のマットペイント
■近年のマット画の作例
使用ソフト:3dsmax,Brazil,photoshop
①新スターウォーズ3部作
・インスタンス等を駆使しデータ容量を軽減しつつ、モデルを作りこむ
・カットのカメラワークをカバーできるよう、複数のカメラよりmatPaintデータを投影。
・単純な投影だけでは、高層ビルの裏側などのデータが破綻するため、データを細かく分けてシーンを整えていく。
②パイレーツオブカリビアン3:海賊の要塞
・壊れた船を組み合わせた要塞のため、まずは壊れた船オブジェクトを作成、レイアウト。
・カットをカバーする複数のカメラポイントを設定。
・モデルが複雑過ぎる為、単純なマップ投影ではデータが破綻する。これを解消するため、カメラポイントより光源をたき、白黒のくっきりした画像を制作。
・先の白黒画像をカメラマップのマスクとして使用する。
・シーンに複数の焚き火が存在するため、まず焚き火の仮オブジェクトを配置。
・後にタイムスライドさせた炎シーケンスと置き換えるため、このバリエーションを色わけしたオブジェクトで表現。バランスを確認。
・炎シーケンスへの置き換え。
・炎シーケンスにマッチした照り返しライトをつけて、完成。
③スパイダーウィックの謎:2.5次元の空撮の森
・森は膨大なデータになりがち。これをマップにて制作した事例。
・まずは3Dの木を配置。
・シーンのカメラよりクリッピング機能を利用して、数枚の静止画をつくる。
・これをplaneに転用。
・画像はクリッピングされていても隣り合うデータをみてGI計算をするので便利。
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【基調講演 2】 「スピードレーサー」: 2D から 3D への挑戦 !
Digital Domain 社 , Richard Morton (リチャード モートン) 氏
使用ソフト:MAYA,mental ray
■スピードレーサ:ライティングのワークフロー
①資料あつめ
・リファレンスを収集、検討。
マッハGOGO、甲殻機動隊、アキラなど新旧のジャパニメーションなど。アニメで多様されるスピード感の表現、「流背」表現の見せ方を模索した。Jaguar C-XFのCMを参考にこの方向性で行くことに決定。http://jp.youtube.com/watch?v=rT3selO1cok
・各シーンのカラーパレットとなる画像を決定。
②Sheder作り。
・車のシェーダづくりの為、主人公の車に近いコルベット(黒、赤、白、シルバー)をレンタル。ボーリングのボールに車塗装を施し、各色用意。HDRI撮影用のクロームボールとグレイボール、ホワイトボールも用意。
・車や、メタルボール、周りの環境などとにかく撮影。このとき、昼、夕方、夜の環境別でもデータをとっておく。
・3D内で撮影時の環境を簡易に再現。このとき正確な座標値がベスト(?)車のモデルデータを中央に配置し、昼夜でテストレンダーし、キャリブレーションの値を詰めていく。シェーダ作りは、物理的に正確な値が必要。
③レンダリング設定。
・IBLの為にエンハンストされたファイナルギャザリングを使用。
・キーライトからの正確なシェーディングのためにイラディアンスファイルを制作。このとき、隣り合うpixcelを補間させる。これを行うのは、隣接するpixcelの急激な変化を避ける為。
・正確なレイトレース反射が大切で、反射光が入射光より大きい事があってはいけない。
④シェーダーマテリアルをシーンへ適応。
・今までのシェーダテストは、撮影環境を再現したシーンでのテスト。
・実際のシーンに適応して、テストをする。他の環境でもキャリブレーションが上手く動作するかのテストになる。
・車のライティングをテストする。実際のシーンでのライティング、IBL、FGライト、ネオンサイン等。
⑤結果
・ネオンサインライトを施すと、Diffuse colorにネオンライトカラーが入ってしまい、白の車が、赤い車(ネオンカラー)に見えてしまう不具合が発生。
・結果、中絵とネオンライン(トンネルライン)をコンポジットで合成する形をとった。
※印象的だったのは、「流背」表現を施すためのHDRI素材。白い蛍光灯を無数に並べたトンネルを走って撮影したような、アニメーションHDRIですが、どうやって作ったのか。ループ素材になってるように見えましたが、実際の撮影なのか?CG出力なのか。質問してくればよかった。。HDRIの経験値が不足しているので、想像がつきません。
素材自体が湾曲した2001年のようで、見ていて心地いい素材でした。
あの素材、欲しいです。
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【Session 1】
Making of「SONIC:NIGHT OF THE WEREHOG」
~おばけの世界の物語ができるまで~
株式会社セガ VE 研究開発部 , 宮本 佳 氏
http://www.sonic-unleashed.com/notw/us/
セガ VE研究開発部は、映像に特化した部署。
ソニックのOVAが思いの他、良かった。
脚本から始まり、イメージボード、ライティングボードをしっかり作り込んでいた。完全分業の作業現場。日本では珍しい、ハリウッドスタイルを意識したワークフロー作りが印象的。
使用ソフト:MAYA,renderman,Houdini
■ワークフロー
・脚本
・各パーツのイメージボード、キャラデザイン
・絵コンテ
・ライティングボード(Finishのクオリティをここで決め込む)
・ビデオコンテ
・モデリング、スカラプト
・アニマティクス
・アニメーション
・エフェクト
・コンポジット
■R&D(うろ覚えメモ書き)
・default機能として最低限のキャラクタのリグを用意している。ボタンを押すと、ボーン+リグが画面上に制作され、オートでキャラのサイズにFit、アサイン出来る。
・キャラのリグをアニメータがGUIベースで追加可能。2年程前のマスタークラスで見た、ILMのキャラクタ・リグ追加システムにそっくり。恐らく参考にしたのでは。
・MAYA Furをrendermanでレンダリングできるよう、renderman側から受け取る為のplug-inを作成。
コンバータを通さずレンダするとFurの収束具合のデータが正確に渡らない。
Industrial Light & Magic 社 , 上杉 裕世 氏
■ILMに就職するまでの流れ
■オプティカル合成時代のマットペイント
■近年のマット画の作例
使用ソフト:3dsmax,Brazil,photoshop
①新スターウォーズ3部作
・インスタンス等を駆使しデータ容量を軽減しつつ、モデルを作りこむ
・カットのカメラワークをカバーできるよう、複数のカメラよりmatPaintデータを投影。
・単純な投影だけでは、高層ビルの裏側などのデータが破綻するため、データを細かく分けてシーンを整えていく。
②パイレーツオブカリビアン3:海賊の要塞
・壊れた船を組み合わせた要塞のため、まずは壊れた船オブジェクトを作成、レイアウト。
・カットをカバーする複数のカメラポイントを設定。
・モデルが複雑過ぎる為、単純なマップ投影ではデータが破綻する。これを解消するため、カメラポイントより光源をたき、白黒のくっきりした画像を制作。
・先の白黒画像をカメラマップのマスクとして使用する。
・シーンに複数の焚き火が存在するため、まず焚き火の仮オブジェクトを配置。
・後にタイムスライドさせた炎シーケンスと置き換えるため、このバリエーションを色わけしたオブジェクトで表現。バランスを確認。
・炎シーケンスへの置き換え。
・炎シーケンスにマッチした照り返しライトをつけて、完成。
③スパイダーウィックの謎:2.5次元の空撮の森
・森は膨大なデータになりがち。これをマップにて制作した事例。
・まずは3Dの木を配置。
・シーンのカメラよりクリッピング機能を利用して、数枚の静止画をつくる。
・これをplaneに転用。
・画像はクリッピングされていても隣り合うデータをみてGI計算をするので便利。
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【基調講演 2】 「スピードレーサー」: 2D から 3D への挑戦 !
Digital Domain 社 , Richard Morton (リチャード モートン) 氏
使用ソフト:MAYA,mental ray
■スピードレーサ:ライティングのワークフロー
①資料あつめ
・リファレンスを収集、検討。
マッハGOGO、甲殻機動隊、アキラなど新旧のジャパニメーションなど。アニメで多様されるスピード感の表現、「流背」表現の見せ方を模索した。Jaguar C-XFのCMを参考にこの方向性で行くことに決定。http://jp.youtube.com/watch?v=rT3selO1cok
・各シーンのカラーパレットとなる画像を決定。
②Sheder作り。
・車のシェーダづくりの為、主人公の車に近いコルベット(黒、赤、白、シルバー)をレンタル。ボーリングのボールに車塗装を施し、各色用意。HDRI撮影用のクロームボールとグレイボール、ホワイトボールも用意。
・車や、メタルボール、周りの環境などとにかく撮影。このとき、昼、夕方、夜の環境別でもデータをとっておく。
・3D内で撮影時の環境を簡易に再現。このとき正確な座標値がベスト(?)車のモデルデータを中央に配置し、昼夜でテストレンダーし、キャリブレーションの値を詰めていく。シェーダ作りは、物理的に正確な値が必要。
③レンダリング設定。
・IBLの為にエンハンストされたファイナルギャザリングを使用。
・キーライトからの正確なシェーディングのためにイラディアンスファイルを制作。このとき、隣り合うpixcelを補間させる。これを行うのは、隣接するpixcelの急激な変化を避ける為。
・正確なレイトレース反射が大切で、反射光が入射光より大きい事があってはいけない。
④シェーダーマテリアルをシーンへ適応。
・今までのシェーダテストは、撮影環境を再現したシーンでのテスト。
・実際のシーンに適応して、テストをする。他の環境でもキャリブレーションが上手く動作するかのテストになる。
・車のライティングをテストする。実際のシーンでのライティング、IBL、FGライト、ネオンサイン等。
⑤結果
・ネオンサインライトを施すと、Diffuse colorにネオンライトカラーが入ってしまい、白の車が、赤い車(ネオンカラー)に見えてしまう不具合が発生。
・結果、中絵とネオンライン(トンネルライン)をコンポジットで合成する形をとった。
※印象的だったのは、「流背」表現を施すためのHDRI素材。白い蛍光灯を無数に並べたトンネルを走って撮影したような、アニメーションHDRIですが、どうやって作ったのか。ループ素材になってるように見えましたが、実際の撮影なのか?CG出力なのか。質問してくればよかった。。HDRIの経験値が不足しているので、想像がつきません。
素材自体が湾曲した2001年のようで、見ていて心地いい素材でした。
あの素材、欲しいです。
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【Session 1】
Making of「SONIC:NIGHT OF THE WEREHOG」
~おばけの世界の物語ができるまで~
株式会社セガ VE 研究開発部 , 宮本 佳 氏
http://www.sonic-unleashed.com/notw/us/
セガ VE研究開発部は、映像に特化した部署。
ソニックのOVAが思いの他、良かった。
脚本から始まり、イメージボード、ライティングボードをしっかり作り込んでいた。完全分業の作業現場。日本では珍しい、ハリウッドスタイルを意識したワークフロー作りが印象的。
使用ソフト:MAYA,renderman,Houdini
■ワークフロー
・脚本
・各パーツのイメージボード、キャラデザイン
・絵コンテ
・ライティングボード(Finishのクオリティをここで決め込む)
・ビデオコンテ
・モデリング、スカラプト
・アニマティクス
・アニメーション
・エフェクト
・コンポジット
■R&D(うろ覚えメモ書き)
・default機能として最低限のキャラクタのリグを用意している。ボタンを押すと、ボーン+リグが画面上に制作され、オートでキャラのサイズにFit、アサイン出来る。
・キャラのリグをアニメータがGUIベースで追加可能。2年程前のマスタークラスで見た、ILMのキャラクタ・リグ追加システムにそっくり。恐らく参考にしたのでは。
・MAYA Furをrendermanでレンダリングできるよう、renderman側から受け取る為のplug-inを作成。
コンバータを通さずレンダするとFurの収束具合のデータが正確に渡らない。
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